花と緋色
クラウジアは怪我をしないかハラハラしている。
「私がやる!危なっかしい。」
「だいじょーぶって!お客さんをもてなさなきゃ、立派な大人になれないもん。」
「御前は餓鬼で充分だ!!」
「……おこらないでよ。任せるから。」
シエリアはしゅんとなって棚の方に行った。
そして、クッキーを出して皿に並べる。
「はい。」
少し元気がない様子でヴォルフラムの方に差し出した。
「そんなにしょげないで。」
クラウジアの手がシエリアの頭に乗せられる。
「しょげて、ない。う、うぅ……」
気持ちを察してもらった優しさと怒られた悲しさともてなす側がもてなせてないという不甲斐なさで泣きそうになった。
けれど、泣いてはいけないと無理に笑う。
「ありがとう!」
わざと明るく言って振り払った。
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