赤い流れ星




「……そうか…よくわかった。」

俺達は長い間をかけてじっくりと話しあい、そして、シュウの決心がどのくらい固いものかを俺は痛感した。
おそらく、どれほど説得してもシュウの決意は変わらないと感じた俺は、シュウのその想いを尊重する事にした。
それは、美幸にとっては辛いことだが、その結論が最終的なものではないことを信じて、俺はシュウの思い通りにさせてみることに決めた。



「それじゃあ……」

シュウが、俺に問い掛けるような視線をなげかけ、俺はそれにゆっくりと頷いた。



「あぁ、おまえの思う通りにすれば良い。
……だけど、条件がある。」

「……条件…ですか…」

「そうだ。
まず、おまえの生活の面倒は俺がみる。
それから、携帯で連絡を取れるようにしといてくれ。
もちろん、おまえがいやならこちらからは連絡はしない。
それから、何か困った時が起きた時には絶対に俺に連絡をすること。」

「そんな…それじゃあ、結局は和彦さんに迷惑をかけることになるじゃないですか。」

「だけど、美幸がおまえと別れることで、美幸と両親との確執はなくなる。
おまえの一番の想いは、美幸を不幸にしたくないってことだろ?
それで、一応、おまえの望みは叶うんだから、こっちの言い分も聞いてくれ。
贅沢はさせられないかもしれないが、くれぐれもやばい仕事には就くなよ。
後々困るようなことになったら、それこそ意味がないんだからな。」

シュウは、困ったような顔をしてそのまま黙りこんだ。



「その条件を飲んでもらえないと、俺も協力は出来ない。
それから……」

「まだあるんですか?」

「もちろんだ。
美幸がどれだけ悲しむかわかってて、おまえの言い分を聞くんだから、そう簡単にはいかないさ。
それから……十年経ったら、美幸と会うこと。」

「えっ!?」

俺の言ったことが余程意外だったのか、シュウは今まで見せたことがないくらい驚いた表情を見せた。
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