君さえいれば
クリスマスも年末年始も誕生日も家族と過ごすのはあたしの中で決めていて一度も隼汰と過ごしたことはなかった。



クリスマスも誕生日もジュースやケーキを交換したけど形に残るものは何もなかった。



なぜか、それはダメだって思ったから。好きだけど否定も肯定もしないけど恋人のイベントに乗っかるのは違うと思ってたから。




でも、もうそんなこと関係ないんだ。



だってあたしたちもう、友達以上で聞かれて否定も肯定もしないだけの関係じゃない。




「ごめんな、美月はずっとそんなイベントを避けてきてたのは俺がちゃんと言わなかったからだよな?俺、あの距離感が好きだったんだ。何も言わなくても通じ合っていて否定も肯定もしない、そんな関係が。でも、美月を失ってもっと早く言葉にすればよかったって思った。だからもう、ガマンしない。今すぐ美月を俺のそばに連れて行きたいよ」




「隼汰・・・」
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