秘密戦隊とホームレス宇宙人
第10話 レッドの軌跡
レッドに伝えなくては…!

敵のベルトを見ちゃダメだってことを!


俺はレッド鈴木を呼ぶために念じた。

念じながら、家を出て公園までダッシュした。あの日レッドと語り合った公園のブランコまで走った。
そして、公園のブランコの横で…吐いた。


やっぱり気持ち悪い。二日酔いはまだ治ってない。


頼む…レッド…。

来てくれ。

若干気持ち悪いから…早めに。

いや、違う。

地球のためにも…早く…。


しかし、レッドは来る気配がなかった。

それもそうだ。俺はベルトを付けていなかったのだ。


「ベルト、家の中じゃん」

俺は部屋まで戻り、自分の布団の枕元にあったガウベルトを手に取った。

パソコンの前の涼平が俺に訊いてくる。


「修行っすか?」


「あ、いや…その前にちょっと」


「ういっす。桃子さんは昨日も泥酔でしたから、修行出来るんですかねー」


「そ、そうなんだ。相変わらずだね」

昨日の記憶があんまりない。泥酔という言葉が似合う女も、あんまりいない。


俺はまた公園まで行き、念じた。

俺はベルトを持った上での外出は禁止されていたが、それどころじゃなかった。一刻も早く鈴木に伝えなくてはいけない。そして、あわよくば…鈴木が戦って勝ってくれるのを、少し期待していたのかもしれない。
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