秘密戦隊とホームレス宇宙人
頼む。レッド…。来てくれ…。


俺はブランコに座り、手を胸の前で合わせ、祈るように念じた。

1時間程、そのまま念じ続けた。


しかし、レッドは現れない。


公園に遊びに来た子供達に俺は、凝視された。

子供達が俺に近付いてくると、一人の男の子が俺に話しかけてきた。


「おじさん…何やってんの?」


俺も、もうおじさんって言われる歳なのか…。


「…ちょっとお祈りしてるんだよ」


「ふーん。おじさん腰わるいの?」


「え?」

「だってウチのお父さんと同じベルト付けてる」

男の子が俺のガウベルトを指した。


「ああ。これは君のお父さんのとは違うんだよ。俺のはヒーローのベルトだから」

俺の言った言葉に、子供達はざわつく。


「ヒーロー?ヒーローだって」

「ただ腰が悪いんだよ。きっと」

「頭もちょっと悪いんじゃない?」


全部聞こえてるっちゅーねん!まったく…。



「靴飛ばしやりたいからブランコ貸してよー」
と、男の子が言った。
靴飛ばしか…懐かしいな。


「あ、ああ。悪い」

俺はブランコから降りて彼らに譲った。
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