秘密戦隊とホームレス宇宙人
第11話 桃色の蝶
「コレはまさしく…敵の宇宙船だ」

ハカセがそう言った。
家に戻ってきた俺達は、鈴木が撮った写真を拡大したものを、ハカセに見せたんだ。


「じゃあ、やっぱり…鈴木は敵に一人で…」
と、桃子さんが不安そうに言った。


「アイツは敵のアジトを突き止めて…向かっていくことを決めて…最後に母に会いに行ったのかもしれん」

ハカセが言った言葉に、桃子さんが返す。


「最後とか言わないでよ!これからも会えるでしょ!敵に洗脳されるって決まったわけじゃないんだから!」


「そうですよ。もしかしたらレッドが勝つんじゃ…」

涼平がそう言ったが、ハカセは頭を抱えてこう言った。


「今のアイツじゃ勝つのは厳しい…。放射能を出せるようになってれば、まだわからんが。敵は、武器を持ってるんだ」


「「武器?」」


「こっちで言う銃のようなものだ。麻酔、細菌、ガス、色々と弾を打ち分けられる」


「そんな…撃たれたら終わり?」
と、桃子さんが訊く。


「いや、恐らく…奴らは麻酔で眠らせて、鈴木を生け捕りにして使うだろう。いくら光速のスピードで動けるといっても、奴らのベルトを見たり、撃たれたら終わりだ」


「でも、それじゃあクロちゃんでも勝ち目がないんじゃ?」
と、桃子さんが言った。

確かに俺もやられてしまうんじゃ。


「クロザイルは吸引力を高めれば、相手の銃やベルトを遠くからでも奪うことが出来る。だから、修行あるのみだ。さあ、急いで修行を始めようか…」

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