秘密戦隊とホームレス宇宙人
ハカセが立ち上がると、桃子さんがハカセにこう言った。


「鈴木を止めるのは…どうするの?」


「念じても来ないのだから、しょうがないだろう」


「敵に洗脳されちゃったらどうするのよ!?」

桃子さんは感情をむき出しにしていた。
それをなだめる様にハカセが声をかける。


「洗脳されても、大丈夫だ。クロザイルがレッドとパープル、両方のベルトを奪うだけだ。だから、クロザイルには頑張ってもらうしかない」


「……」

ハカセの言った言葉に、俺は答えたかったが、写真に釘付けになっていた。

ある物を見つけてしまったから。


「クロザイル…修行を始めようか」


写真が拡大されて見やすくなって、わかったんだ。


「クロちゃん?」



ハカセに言われたとおり、隠し事はいけない。


何でも話すんだ。俺達は“家族”だから。


「どうしたんですか?」
と、涼平が言った。


「写真を見てください!宇宙船の右端のほう!」


俺がそう言うと、3人は写真を食い入るように見る。
< 121 / 167 >

この作品をシェア

pagetop