秘密戦隊とホームレス宇宙人
ハカセが席に着くと、間もなくして桃子が隣に座った。


「キミが……桃子…さん?」

ハカセは桃子の顔を見た後、腰に視線をずらした。


「はい。そうですけど…ご指名していただいて、嬉しいです」


「いや、いいんだ……それより…」

ハカセが腰を凝視しながらベルトの話をしようとすると、桃子が首を傾げて訊ねてくる。


「ウィスキーと、ブランデーどっちがいいですか?」


「お酒はいいんだ…それより…」


「ええっ…飲まないんですか?お店に来たのに!」

桃子の表情から笑顔が消え、頬が膨らむ。


「あ、じゃ…じゃあ…そっちの」

仕方なくハカセはボトルを指差した。


「ブランデーですね。割り方はどうしますか?」


「あ、いや、このままでいいよ」

ハカセはおもむろにボトルを掴むと、そのままグビグビと飲みだした。

桃子はその姿を見て口を開けてポカンとしていたが、こう呟いた。

「わ…ワイルド…!」


「そ、そうか?わしのホシ…いや、国ではいつもこうだがな」


「そうなんですか!日本の方じゃないんですね」

「ああ…まぁな」


「私、お酒が飲める人が好きです」

桃子の表情がぱぁっと明るくなった。
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