秘密戦隊とホームレス宇宙人
桃子にそう言われ、ハカセは少し照れながら、拳で口を押さえてゲップをした。


「げふ……そ、それより…ベルトのことで今日は来たんだ」


「ベルト…?」


「キミ、ベルトを持っているんだろ?ピンクのベルト」


「骨盤サポートベルトのこと?」


「この国ではそう呼ばれているのかもしれない。それを使うと…どうだ?金品がよく手に入るだろ?」


「…!」

桃子はハカセのその言葉で何かに気がついたようだった。



「そのベルトについて話しに来たんだ。ちょっと、見せてくれないか?今、付けてるのか?」

ハカセは桃子の腰に顔を近付けて、凝視した。


「つ、付けてるけど、ちょっと待ってよ!ドレスの下だから…ちょっと」

そう言って後ずさる桃子の腰を、ハカセは両手でまさぐりだした。


「見せてくれ。チラッとでいい!頼む…!それに宇宙の未来が……」


「ちょ、ちょっと!ヤメて…」


桃子のお腹から股間にかけて、張り付いていたハカセの頭が、反対側にグイっと引っ張られた。


「お客さん…どこの宇宙を見ようとしてンの?」

ハカセの襟を掴んで引っ張ったのは、さっきの背の高いボーイだった。


「ウチはそういうお店じゃないんで…ね!」


そう言ってボーイはハカセを店の外にそのまま摘まみ出した。


「ま、待ってくれ!触ったのは悪かった!あと5分ある…あと5分…」


「せっかく入れてあげたのに…幻滅したよ」

ボーイはそう吐き捨てて、店の扉を強く閉めた。



「……参った」

ハカセはドアの前に立ち尽くしていた。
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