秘密戦隊とホームレス宇宙人
第5話 ガウレンジャー出勤!
新しい家で、料理、掃除、洗濯の当番を決めた。
今日の夕飯の当番は涼平だった。


怪しい我が家で、至って普通の夕食を済ませると、俺はコンビニのバイトへ行くことにした。


「じゃあ、行ってきまーす」


「行ってらっしゃい」

桃子さんに笑顔で言われると、ちょっと気持ちがいい。

「気を付けるのだぞ」

「帰ってきて下さいね……」

涼平が悲しそうな顔をしている。


「大丈夫!帰ってくるよ」

個人情報握られてるから、逃げられないんだよ。


玄関を出るときには、虎のトラ子も行ってらっしゃいと言ってくれた。

―ガルルルル…

ちょっと怖いけど…。

ゴールドタイガーのトラ子(メス)は、まだ子供だからいいが、もっともっと大きくなったら、どうする気なのだろう。


桃子さんの趣味らしい。

そういえば、さっき桃子さんの部屋をチラッと覗いたら、ヒョウ柄のクッションが見えた。
好きなんだろうな。
そして、涼平の部屋よりずっと広かった気がする。

バイトへ行く前に、一旦実家に寄ることにした。


「…一応挨拶していくか」

俺はみんなのいるダイニングに向かった。


「ただいま…」


「あ、お帰り」

母はいつもと変わらない対応だが、姉は興奮して話しかけてきた。

「ねえ!友達と住むってホント!?」


「ああ。急に住むことになってさ」


「市内なんでしょ!?なんで東京とかに出ないのよ!?」


「なんでって…友達と決めたから…」

俺だって、出るなら都会に憧れる。


「東京なら買い物とか遊びのついでに泊まれたのにー」

姉がご飯を食べながら悔しそうに言った。
そういう都合か。

母は食事が終わってテレビ
に夢中。

親父は……奥でいつものようにエアロバイクを漕いでいる。

俺に興味なしか。

「友達3人と住むんでしょ!?」

食いついてくれるのは姉だけだ。
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