秘密戦隊とホームレス宇宙人
第6話 レッド鈴木登場
「はぁ~。朝かぁ…」

強い日差しが入ってくるとともに、店に少し活気が出てくる。よく見る顔のサラリーマンや学生が新聞や朝ごはんを買いに来る。
朝の常連の人たちを見送ると、俺のバイトは終了となる。


「お疲れ様~」

「あ、どーも」

早番のパートのおばさん達と交代し、バイトを終えると、俺は実家に向かった。


そのまま引越しの準備をするのだ。
と言っても、涼平の部屋に一緒に住む訳だから、ほとんど自分の荷物は持っていけないだろう。


「テレビとパソコンは涼平のがあったよな…」

俺は布団や服、ゲーム機、マンガ本などを母親の車に載せ、実家を後にした。

忘れ物があったらすぐに帰ってこれる。
その点は楽だ。



布団を持って、涼平の部屋へと上がる。

涼平は倒れこんだかのように、床にうつ伏せで寝ていた。
布団までたどり着けなかったのだろう。

一晩中片付けをしていたのか、涼平の部屋のゴミや雑誌の山はなくなり、スッキリとしていた。

これなら押入れではなく、ちゃんと床の上で寝れそうだ。

持ってきた布団の掛け布団の方は、涼平にそっと掛けておいた。

涼平を起こさないようにそっと荷物を運び、車を返しに行こうとしたその時、桃子さんの部屋からうめき声が聞こえてきた。


桃子さん……!?


その声が彼女からのSOSの信号だと判断した俺は、階段を下りるのを止め、桃子さんの部屋に入った。


―ガチャ

「…うっ」

思わず鼻を押さえたくなるようなアルコールの臭いが部屋に充満していた。


ピンクのパジャマ姿の桃子さんは、テーブルにもたれ、酒瓶とグラスを掴んだまま寝ている。

ここの人たちは布団の上で寝ない人たちなのか…?

桃子さんの部屋を歩くと、靴下が濡れた。
恐らくアルコールだろう。飲みながらこぼしていた酒乱の図が浮かぶ。

そのままではまずいと思った俺は、桃子さんの手からグラスと瓶を離し、ベッドに運ぼうとした。

俺だって男だからな、お姫様だっこぐらい……。

抱えようとしたその時、

―バチン

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