秘密戦隊とホームレス宇宙人
「それが、地球…ですか?」


「ああ。見事に宇宙の別の場所にワープできたようだった。
そして後ろから追っ手が来ていることに気付いたんだ。まさか政府の奴らまでワームホールに突っ込んでくるとは思わなかった。
そして、地球に向かって逃げたんだが、追いつかれ、空中戦の末、ベルトは奴らに奪われてしまった。そして壊れた宇宙船と私は、日本に不時着したんだ」


「じゃあ、俺たちはガウデスを救うために…?」


「最初の目的はそうだった。だが、宇宙船は壊れ、鉄くずとして売ってしまった以上、もうガウデスには戻れない。どうしようもないんだ。
私もタダではやられまいと思って、奴らの宇宙船にも傷を負わせた。奴らも日本に不時着した。
これでしばらくは奴らもガウデスに戻れないはずだ。
後は敵がベルトの能力を完全に使えるようになる前に、奪うしかない。それだけが、私に残された使命なんだ」


「パープルはまだ完全じゃないんですよね?」


「ああ」


相手がベルトを見るだけで洗脳するパープル…。それが完全じゃない…。


「完全に使えるようになると…どうなるんですか?」
と、恐る恐る訊いてみた。


「わからん…。パープルの能力の秘密をわしは知らないんだ。ただ、ひとつ言えることは……

より強力に人を操るようになるだろう。

磯貝君のようには、解けなくなるかもしれん。それに、ベルトを見せて洗脳しているようだが、それをせずとも洗脳できるようになるかもしれん…」


それを訊いた後、頭にひとつのことが浮かんだ。
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