白薔薇と黒薔薇



にっこり優しく微笑む白音。

その周りには沢山の美しいシャボン玉が浮かんでいる。


「魔法は、混ざりあっていたものを分けることによって使えるようになりました。


今まで自然におこっていたことを私たち自らが意図的に扱うのです。

それが魔法


貴方は白薔薇様の一族の子。

白き魂を守りし子よ。」


アナリバはそういって一輪の白薔薇を差し出した。


白薔薇は、白の魂を受け継ぎ、
黒薔薇は、黒の魂を受け継ぐ。

魔法が生まれてからまた黒と白が混ざり合わないようにと、

二つの神帝を初代の王は作った。






「姫。そろそろ明日のパーテ、会議に向けてお支度を……。」


先ほどまで見えなかった白い影。


「そろそろお時間のようですな。白音様。」


「そうみたいね、アナリバ老師。

素敵な話をありがとう、また聞かせて頂戴ね。」


アナリバに頭を下げると、
先ほど現れた白い影の方へ行き。


「カシベル、行きます。用意を、」


また真剣な表情で部屋から出ていった。
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