ふたりのガーディアン
蒼甫君はリモコンで電気を豆電球にすると、私の横に転がって来た。


身体を横に向け、じっと私を見つめる蒼甫君。


お願いだから、そんなに見つめないで欲しい。


「優月にはわかんないだろうなあ。

俺がどれだけこの日を待ちわびてたか。

だって好きな子が目の前にいるのに、いつも一緒にいるのに、好きって言えないんだよ。

ハッキリ言って、毎日が拷問だった」


そう言って蒼甫君が目を細めた。


「渋谷が現れた時、俺がどれだけ不安だったかわかる?

もうあんな思い、2度としたくない。

勘弁して欲しい」


蒼甫君、こんなに私のこと思ってくれてたんだね。


私、何も知らなくて。


「ごめんね、蒼甫君。

あと…ありがとう。

ずっと思っててくれて」


ずっと、守ってくれて…。


蒼甫君がにっこり笑って、私の頬を撫でてくれる。


その手は大きくてあたたかい。


「好きだよ、優月」


そう言って、私の上に覆い被さる蒼甫君。


私を見つめる顔がなんだかせつなくて、胸がキュンとしてしまう。


蒼甫君は目を閉じると、ゆっくりと私の唇に唇を重ねた。
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