ふたりのガーディアン

愛か欲望か

中間試験の発表があり、私達は忙しい毎日を過ごしていた。


試験発表中は、生徒会も、文化祭実行委員も活動はしない。


そういう意味では、いつもより落ち着いてはいるのだけど。


「はぁ~。なんか今回やる気出ないのよね」


「さっちゃん、文化祭の仕事が忙しくて、疲れてるんじゃない?」


「そうかもしれない。色々大変なの。決めることも多くて。

あっ、試験が終わったら、クラスの出し物を考えるのよ。

いい案が出るといいけど」


「去年は確かお化け屋敷作ったんだよね」


あれはあれで面白かったけど…。


今年はどうなるかな?




そして、ついに試験当日。


この日は三教科の試験があった。


なんとか無事に試験が終わり、伸びをしていたら蒼甫君が来た。


「優月、一緒に帰ろ」


「うん」


今日はお昼までだから、早く帰れる。


「今日は家まで送ってあげるよ」


「ほんと?嬉しい」


私達は電車に乗り、私の自宅へと向かった。


「なあ、明日英語あるだろ?ちょっと教えて欲しいとこがあるんだけど」


「いいよ。じゃあ、うちで勉強する?コンビニでお昼買って」


「うん。そうしよっか」


私達はコンビニに入り、お弁当を買った。


蒼甫君は牛カルビ丼、私はおむすび弁当にした。


コンビニを出て、7、8分もすると、私の自宅が見えてくる。


蒼甫君がうちに上がるのは初めてかな?


何度か送ってもらった事はあるんだけど。


玄関のカギをガチャンと開ける。


「どうぞー」


「おじゃましまーす」
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