ふたりのガーディアン
バイトが終わり、カフェの裏口から出ると、バイクに腰掛けた瀬名君が待っていた。


雑誌を切り取ったみたいに綺麗で、ドキドキしてしまう。


「お待たせ」


「じゃ、行こっか。

はい、これ」


「ん?」


「ヘルメット。家から持って来た」


あ、そうか。


バイクに乗るなら必要だよね。


「被れた?」


「…うん。結構重いね」


頭がちょっとグラグラする。


「じゃあ乗って」


誰かのバイクの後ろに乗せてもらうのは初めてだ。


「ちゃんと乗れた?」


「うん。なんとか」


「しっかりつかまってろよ。つかまってないと、マジで吹き飛ばされるから」


「うん」


バイクのエンジンをかけ、瀬名君はバイクを走らせる。


想像以上の加速に腕が離れそうになって。


私はぎゅっと瀬名君の身体にしがみついた。

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