ふたりのガーディアン
びっくりして振り返ると、瀬名君が壁にもたれかかっていた。


「瀬名君っ。どうしたの?顔が真っ青だよ!」


「だ、いじょ…」


そう言うと、瀬名君は床に倒れ込んでしまった。


息が乱れて、すごい汗。


「瀬名君、しっかりして!」


ど、どうしよう。


どうすればいいの?


瀬名君が苦しそう。


誰かっ。


ふと前を見ると、男子生徒が一人こちらに向かって歩いて来ていた。


「すみません!一緒に保健室に運んでくれませんか?」


私がそう言うと、その男の子が駆け寄って来た。


「どうしたの?」


「わからない。急に倒れて…。意識はあるけど、立てないみたいなの」


「わかった。おぶって連れて行ってやる」


その男の子は瀬名君の脇の下に自分の肩を入れ、瀬名君を立たせた。


私はすかさず、反対側の脇に自分の肩を入れた。


そのまま彼は瀬名君の前にうまくまわり込み、彼をおぶった。


「よしっ、行こう」


私も後ろから瀬名君を支える。


ガッチリした男の人でよかった…。


そう思っていると。


「せ、背が高いね。ちょっと難しい」


うっ、そうだね。


床に足が着きそう…。
< 492 / 932 >

この作品をシェア

pagetop