ふたりのガーディアン
やっとの思いで保健室のベッドに運んだものの、保健の先生はいなかった。


男子生徒にお礼を言うと、「担任の先生には僕から伝えておくから」と言って、保健室を出て行った。


瀬名君、大丈夫かな?


私は瀬名君のベッドの横にある丸椅子に腰かけた。


瀬名君は手の平を上にして、目の上に置いている。


「大丈夫?瀬名君」


「うん…、なんとか。こうして横になってたら大丈夫」


「そう。良かった…」


保健室はすごく静かで、エアコンの音だけが響いている。


目を閉じた瀬名君を見つめる。


顔色が悪い…。


少しこけた頬。


細い手首。


なんだか心配になってしまう。


「ねぇ、瀬名君。仕事大変なの?」


瀬名君は目を閉じたままだ。


寝ちゃったのかな?


「瀬名君、体大事にして。無理しないで…」


聞こえてないかもしれないけど…。


どうしても言いたい。


「瀬名君が心配なの…。

最近の瀬名君、どんどん痩せていくんだもん。

お願い。無理しないで…」


瀬名君は目を閉じたままだ。


やっぱり眠ってるんだ。

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