ふたりのガーディアン

ひとつになった日

夏休みも残すところ、あと10日という頃だった。


事務所に、守屋さんから連絡が入った。


「お疲れ、守屋。
蒼甫はどう?
撮影は順調?」


今日守屋さんは、蒼甫君のいる撮影現場に朝から向かっていた。


蒼甫君、頑張ってるかな?


「えぇっ?そうなの?」


驚いた表情をするイチャさん。


どうしたんだろう?


何かあったのかな?


「えぇ。えぇ。

わかったわ。

今日は無理だから、明日朝一にあたしが現場に向かうわ。

守屋は今日中に帰ってもいいわよ」


そう言うと、イチャさんは電話を切った。


深刻そうな顔のイチャさん。


どうしたんだろう?


蒼甫君に何かあったのかな…?


「困ったわ…」


「え…?」


「蒼甫が、撮影に集中出来なくなってるって」


「えぇっ?」


「あんまりNG出さないし、いつも元気に現場を盛り上げる子だったのに。

ここ最近NGは多いわ、現場でも暗いんですって」


暗い?


蒼甫君が?


「体調が悪いのかしら…。心配だわ。

あたし、明日朝一番のフェリーで現場に行くわ。

優月ちゃんは事務所で待機しててね」


「…はい。わかりました」


蒼甫君…。


どうしちゃったんだろう?
< 613 / 932 >

この作品をシェア

pagetop