ふたりのガーディアン
「力、抜いて」


自分に力が入ってるなんて思わなくて、力が抜けない。


「優月。大丈夫だから…」


私はゴクッと息を飲んだ。


遮光カーテンが半分閉まっている部屋は少し薄暗くて。


でもお互いの姿はハッキリ見える。


蒼甫君の顔をじっと見つめていたら、蒼甫君が急に顔をしかめた。


「あっ…」


私の身体に電気が走る。


感じたことのない圧力。


視界が揺れて、鈍い痛みが襲って来る。


ギシッギシッと規則的に鳴るベッドの音。


激しくなっていく蒼甫君の息遣い。


痛みの奥から次第に快感が押し寄せて来て、私は思わず蒼甫君の背中にしがみついた。


汗ばんだ蒼甫君の背中。


私も発光体になったみたいに身体が燃えそうに熱くて。


溶けてしまいそう。
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