ふたりのガーディアン
「あの。ちょっとお恥ずかしい話なんですが」


少し言いにくそうに瀬名君が話を切り出す。


「実は俺、樋口さんと付き合ってたんです。

初めは中学の頃。そして、去年も少し」


瀬名君の言葉に、妹さんは驚きもせず、軽く頷いた。


「中学の頃ですか…」


「はい…」


「姉らしいですね」


「え?」


「姉は、いつも障害の大きい恋愛をしてしまうんです。

まともな恋が出来ないんです」


「ーと言うと?」


「幸せになれない恋愛ばかりしてしまうんです。たとえば不倫とか…」


ドクンと心臓が跳ね上がる。


私は、ホテルに入って行く薫さんの姿を思い出していた。


「大学生が中学生と、普通は付き合いませんよね?

でも、姉は大学生との安全な恋ではなく、そういう恋に燃えるんです。

そして、すぐに飽きてしまう」


「え…」


瀬名君が目を大きく見開く。


「飽きる…?」


「はい…。すぐ別れてしまうんです」

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