ふたりのガーディアン
「優月。

もう何を選んでもいいよ。

どんな選択でもいい。

優月が一生懸命貯めたお金も、自由に使っていいから。

だから、もう少し考えて、好きな道に進みなさい。

無理に大学でなくてもいい。

もちろん就職でもいい。

もう一年浪人するなら、それでもいいし。

好きにするといいよ」


本当に?


本当にいいの?


「お父さん、ありがとう」


「今までバイト頑張ったもんな。せめてものお詫びだよ」


お父さんは優しく微笑んだ。





リビングを出ると、私は2階の自室のベッドに腰を下ろした。


お父さんがあんなふうに言ってくれたんだから、しっかり考えなくちゃ。


うちには余裕がないからとか、もう言い訳なんか出来ない。


私にはもう恋人もいないんだし。


自分の足で、しっかり歩かなくちゃ。


私の進むべき道を、探さなくちゃ。


進むべき道と言えば…。


私はある人のことが思い浮かんだ。
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