ふたりのガーディアン
私は携帯を取り出し、電話をかけた。


「もしもし、瀬名君?」


『優月?どうした?』


「瀬名君…あのね。

瀬名君、将来美容師にならない?」


『はっ?なに突然』


私の突然の言葉に、瀬名君がビックリしている。


それでも私は続けた。


「私、瀬名君に髪を切ってもらって思ったの。

瀬名君のやりたいことって、モデルじゃなくて、美容師なんじゃないかなって」


私の髪を切る瀬名君の姿は、本当にキラキラして、輝いてた。


モデルの瀬名君も、もちろん素敵だけど。


でも、なんだかそれ以上のような気がして…。


『まぁ、モデルはもともと一番やりたくない分野の仕事だよ。

正直今でも苦痛だし、カメラ向けられるのは苦手だけどな』


やっぱり…。


やっぱり瀬名君、無理してるんだ。


「ねぇ、瀬名君」


『ん?』


「明日、コズミックに行こう」


『はぁ?』











「私が薫さんを説得する!!!」
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