シュシュ
飛鳥さん、今頃心配してるんだろうな。

そんな事を考えながら席に着く。


「私が休憩行ってる間、受付宜しく・・・ねって、

どうしたの?そんな暗い顔をして?」


「エ?・・・そんな事無いですよ?」

私は笑顔を作りそう言った。


「…そう?体調悪かったら、早めに言いなよ?」

「はい、心配してくれてありがとうございます」

…最近、作り笑顔が出来るようになってきたのかな。

大人になれたと思うと、嬉しい。


でも、なんだか寂しい気もする。

…それから30分後、飛鳥さんが受付の前を通った。


「行ってらっしゃいませ」

「・・・」


いつもの挨拶を言った。

そんな私の目の前で、足を止めた飛鳥さんは、

ジッとこっちを見据えている。


「…どうかなさいましたか?」

事務的な問いかけをする。


「…いや、行ってくるよ」

何か言いたげな顔をしていた飛鳥さんだったが、

時間が押していたのか、こちらにもう一度だけ振り返って、

会社を出ていった。
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