ちょこれーとぼーい(♂)
「…先輩……泣いてるの??。」
輝くんから指摘されて
指先で頬に触れてみる。
多くの涙の滴が
雨のように流れ落ちているのに
気がついた。
………私、泣いてる………??。
「………なんでもないから。」
机の上に置いていた携帯を握り締める。
「先輩!!!!。どこに行くの?!?!。」
頬についている涙の跡と
顎に垂れている涙の雫を
カーディガンの袖で拭き取ってから
扉を開けて図書室を出る。
後ろから輝くんが
何か言ってたけど
全く耳に入らない。
……ごめんね、輝くん。
心の中で謝り、
廊下に一歩足を出す。
「……美優。」