アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

部屋の前に着き藤井くんがカギを開ける
ドアを開くと60代前後の女性が出迎えてくれた


「お帰りなさいませ、坊ちゃま…」


「あぁ、ただいま、タキさん」


え…?坊ちゃん?


「藤井…く…ん?」


振り返った藤井くんの名前を掠れた声で呼んだ


「彩月さん…、中に入って…」


何がなんだかわからない私…
少し、身体が震えた
でも、藤井くんは私の手を取り、中へ促す


リビングへと手を引かれ、ソファーに座らされた


頭のよくない私でも
直感でよくない予感だとわかった
だから
俯いたまま言葉を発しないでいた


キッチンから、
お茶を運んできてくれたタキさんと呼ばれる人が
テーブルの上に、カップとポットを置いてくれた


「あぁ、ありがとう、タキさん…
あとは、俺がやるから、奥に居てくれていいよ…」


「はい、承知しました」


タキさんが、奥の部屋へ行ったのを確認し、
カップに紅茶を注いでくれた


「彩月さん、あったかいうちにどうぞ…」


「……」


悪いけど、紅茶どころじゃない…


「藤井くっ「彩月さん…」…」


お互い、言葉が重なった
私が言いたいことがわかっているかのような顔の藤井くん…


「彩月さんから、どうぞ…」


下に向いていた視線を藤井くんに戻し、見つめながら口を開く


「藤井くん…
これは、一体、どうゆうコト?

どう考えても、ココって、
この前の藤井くんの部屋じゃないけど藤井くんのお宅よね?

それに…会社へ行かないの?
予約のデータ、見なくていいの?

ねぇ、お客様のコトだよ?大丈夫なのっ?!」


次から次へと、思っていた疑問を藤井くんへとぶつけた



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