アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】
「ふ、藤井くんっ……」
必死に藤井くんから逃げようと身体を捩るけど、
逃げられないよう、ギュッと抱きしめられた…
「行かないでくれ…俺から…逃げないで…
頼む…彩月…」
私の腰に腕を絡め、
張り裂けそうな声で言う
藤井…くん…?
「離したくないんだ…
ずっと、ずっと…2年も前からあなたが好きなんだ…」
抱きしめられた私の頭上で
切ない声が聞こえる
「ふ…じい…くん…?」
心配になって、腰に絡められている藤井くんの手にそっと、触れる…
時間にすれば1分ほどのことだったと思う
藤井くんは私を後ろから抱きしめながら泣いていた…
「…ゴメン…」
そう言って、私の身体から離れ、後ろを向く
「藤井くん…」
藤井くんの背中に向かって呼ぶ
「ちゃんと…説明してよ、お願いだから…」
藤井くんのシャツの裾を引っ張った…
「……うん」