和田菜月物語
次の日

私は昼休みに図書室に行った。
すると後ろから話しかけられた。

「大山さんだよね?」

後ろを振り返ると
そこに居たのは尾川奈菜だった。

「そうだけど…何か?」

そう言うと
いきなり袋を渡された。
サイズは
スクールバックぐらいの大きさだ。

「これ渡しといてくれない?」
「誰の…?」

私が聞くと奈菜はニコッと笑って

「西山のだよ」

私は「えっ?」と言った。
そう言うと奈菜は私を見て

「昨日、置いて行ったんだよ」

私は
頭の中で色んな物が出てきた。
昨日、春樹が言ってた事も…。

「春樹ってどこか行ってたの?」

奈菜は「うん」と言って
袋だけ渡して行ってしまった。

「春樹に聞いてみないと…」

私は
その日の帰りに私は春樹に
預かっていた袋を渡した。

「おう、悪いな」

春樹はニコッとして言った。

私はそんな顔をしている春樹を見て
聞いてみたくなった。
昨日の事を。

「ねぇ春樹…」
「ん?」

私は勇気を振り絞って言った。

「昨日さぁ放課後何かあったの?」

私が聞くと春樹は顔色が変わって

「何でだ…?」

私は真剣な顔を見て
言えなくなってしまった。

「う、ううん、何もないの…」

私は
この事件から強くなろうと思った。

もう
何も失いたくないと思ったから…。
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