パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「あっ、心さん、碧さん、おはようございます」


明らかな嫌味をものともせず、さとみはにっこりと二人に微笑みかける。


「コンサートに出してもらえるなら、奈桜さんにダンス教えてもらわないと」


これにはさすがに心と碧も驚いた。

『コイツ、何を考えてる?堂々と出来るのは何故だ?』


「今日はおひとりで?」


碧の大きな目がさとみの瞳の奥を刺すように見る。


「はい」


「へぇ。お礼の挨拶に行くのにタレント本人が一人でわざわざ出向くんだ。こんなとこまで」


「えぇ。パンクの事だけじゃないし。奈桜さんに直接、気持ちを伝えたいと思って。おかしいですか?」


『いや、別に』と、碧は作り笑いを浮かべる。


「秋月さん、ちょっといいかな?」


心が真面目な顔でさとみを見つめる。

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