パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「単純な気持ち?笑わせるな。ただ想ってるだけなら誰も口を挟んだりしない。奈桜を、大切な家族から奪うつもりだ」


「まさか。そんなつもりないですよ。心さん、オーバーです」


「とぼけるな。オレには分かってる。オレは奈桜を守りたい。あいつはオレたちにとって大事な仲間だ。不幸になるのを黙って見てる訳にはいかない。キミがウソをついたところで、オレにはキミの心が見えてる。そういう体質だから仕方ない」


二人の視線はガッチリぶつかったまま、どちらも外さない。
まるで先に外した方が負けかのように。

『フッ』と、さとみが小さく笑った。


「霊感があるって言われちゃ仕方ないですね。卑怯です。でも、まぁ、いいです。……そうですよ。私、奈桜さんが欲しいんです。その為にここまで来たんですから」
< 114 / 222 >

この作品をシェア

pagetop