パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
梓は黙りこくり、青木は必死で言葉を探す。


「いいんじゃないんですか?ねぇ~。今時バツ1なんて全然問題ないですもん。『アイドル』じゃあるまいし。梓さんは実力のある女優ですから。バツがつくくらい大した事じゃないです」


『アイドル』という言葉を聞いた時に梓が少し反応する。
外をぼんやり見ていた目が一瞬、泳いだのを青木は見逃さなかった。


「言い方、悪いかもしれないですけど、それがベストじゃないですか?大体、国民的アイドルって言ったって、所詮『アイドル』ですよ。梓さんのような一流の芸能人と違うんです」


「ちが……う?」


「はい。やっぱりアイドルはアイドルですよ。あの人たちは夢を売ってるから家庭を持っちゃイケナイんです。でも、女優は感動を与える仕事ですから。色んな事を経験しないといけない。自由を奪われた人と自由に生きるべき人。合うわけないんです。梓さんを幸せに出来る訳ないんです。奈桜さんじゃ無理なんです!」
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