パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「すみません。ちょっと電話して来ますので。奏さん、良かったら乗って待っていてもらえませんか?」


石田は『早くしてよ』と、ノーテンキな事をまだ言っている奈桜をチラッと見て、さりげなく奏の近くに寄った。


「車の中なら誰にも聞かれませんから。しばらく戻りませんので、ごゆっくり」


小さく頭を下げると足早に去って行く。


「さすが奈桜のマネージャーだな……」


颯爽とした後ろ姿に奏は関心する。
石田の心遣いが嬉しい。
先に乗っている奈桜の横に奏も座った。


「石田さんっていいマネージャーだね」


「でもオトコ、出来ないんだよなぁ」


石田の事をどう思っているのか、奏は苦笑いする。


「話、聞いてくれる?」


少しの間の後、奏が切り出す。
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