パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
第3章 紅い誘い(いざない)


~待たない~



「おはようございます!」


今日は朝からドラマの撮影が入っている。
一応、日付が変わる前に終わる予定だが、どうなるか分からない。
奈桜は楽屋に入った後、すぐに前室に来た。
すでに何人かの出演者が集まっている。
奈桜は中心になってワイワイ騒ぐ方ではなく、前室でも空気を乱さない程度に静かにしている。
定位置は入って左側にある二人掛けのソファー。


「おはようございます。これ、日頃のお礼です。皆さんでどうぞ」


スタッフの女性が奈桜に近付き、少し大きな赤い包装紙に包まれた箱を手渡した。


「えっ?あ……、そっか。いいの?ありがとう」


今日は女の子たちが楽しむ日、バレンタイン。
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