蝶々

4人の男子と一緒に慣れない校舎の階段を下る


「えーと、黒藤さんだっけ?」

「そうだけど、あなたは?」

「俺は寺田。寺田律。よろしくね」


柔らかな笑みを浮かべ話しかけてきた彼

髪は茶色で優しそうな雰囲気


でも私は確信をした


この人は腹黒だと


「よろしく、寺田君。私は黒藤舞蝶」

「あげはちゃん、ね。んー、でも蝶々というより、あげはちゃんって猫っぽい」


人の名前否定するなんて、相当性格悪そう


「あら、そんなこと真正面から言われたの初めてよ。あなたも、律って名前あんまり似合ってないわね」


でもそれに笑顔で返すあたり私も性格悪いわね


「……なかなか面白い性格してそうだね」

「寺田君には負けるわ」

「寺田君なんて他人行儀すぎない?律でいいよ」

「そう?それじゃ、律。改めてよろしくね。あなたのおかげで楽しそうな学校生活が送れそうだわ」

「それは俺もだよ。改めてよろしくね、舞蝶ちゃん」



高校生活最初の友達ができた瞬間だった


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