ナンパ男がしつこい件について
それでも
「椋太郎があたしは好きだよ。ホストなんてもうい…」
初めての感触だった。
唇に何かを感じる。
「目、閉じて」
耳元で囁かれて、目を閉じた。
角度が少しずつ変わっていって、じりじりする。
椋太郎から離れていった。
「チョコの味する」
笑いながら言う。
「人をおかし見たいに言うな」
少し笑ってしまう。
「ごめんごめん」
やばい。
こんなに好きになるなんて思ってなかった。
こんなにも目の前にいることが嬉しいだなんて思ってなかった。
顔をあげて、奴の顔を見る。
相変わらず整った顔。
「椋太郎…?」
「ん?」
椋太郎も視線を下げる。
「…意外と胸ある?」
「やっぱ大嫌い!!!!ボケナスううううううう」