ナンパ男がしつこい件について
箱の中
「次、藪塚ー」
「はい」
テストの一番最後の教科が帰ってくる。
蝉がうるさい中、点数を見ると62。
「赤点なかった!!!!」
嬉しすぎて飛び上がる。
これで夏休み遊びまくれる!
資格は取らなくちゃいけないけど。
それでも時間は充分とれた。
「華和!やった!」
「よかったね」
そう言う華和は二三問間違えた問題を直していた。
そんなに勉強できる時間はなかっただろうけど、90点代ばかりで驚いた。
「華和ってすごいね…」
「宏哉のおかげだよ」
そんなこと言うなんて珍しい。