ナンパ男がしつこい件について
運命




髪の毛は結んだ、スカートも綺麗。



確認をしていると、インターホンが鳴った。



ぎくり、と心臓が大きな音を出す。




コートを着て荷物を持って、必要な書類を確かめた。





今日が、最後のチャンスだ。




家を出ると椋太郎が寒そうに手を擦り合わせながら待っていた。



「おはよ」


「はよ」



緊張で顔がガチガチなのがわかったのか、笑う椋太郎。




「大丈夫だって。そんな顔すんな」





「……………うん」




ゆっくり、吸って、吐いた。





「ああああ緊張する」



足をばたつかせる。



「取り敢えず車入ろう」



「う、うん」





< 374 / 468 >

この作品をシェア

pagetop