甘い悪魔。




小声で言うと和穂は抱き締めていた手を離して、あたしを真っ直ぐに見つめた。




「あたしが浮かれて飛び出したから、あたしが信号が青だから大丈夫だって思ったから、お父さん達は死んだ。




あたしがもっとちゃんとしてたら、2人に迷惑かけなかったら、お父さん達は死ななかった…!




あたしのせいだ…!あたしが迷惑かけなければ、こんなことにならなかった…!」




自分を責めた途端、急に重い眠気が襲ってきた。




何でこんな時に眠気がくるの?




でも耐えられない…




自分にストレスをかけたことであたしはナルコレプシーになった。




ベッドに倒れなかったから、和穂に受け止められたのだと分かった。




目は閉じていても若干意識はまだあって…




その時、和穂の声が聞こえてきた。



その言葉だけは忘れたことはない。




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