[B L]だからスキって言ったのに



「…天野」



“夏音”



もう随分と、その声を聞いていない。

変だな、俺。


呼ばれるのがこんなにも嬉しいことだって知ってたはずなのに。



“別れよう”



天野の言葉が、俺の頭の中で反響する。


…俺は、天野と別れる気なんかさらさらない。

離してやらないって言ったんだから。


だから俺は、めげない。

天野にもう一度、いやこれからもずっと、俺のそばにいて欲しいから。



なぁ、天野。





その声で、俺を呼んでよ。

その口で、俺にキスしてよ。

その腕で、俺を抱きしめてくれよ。

その優しい目で、俺を見てよ。



俺だけを、見てよ。




「天野ぉっ…!」

もう一度読んでみても、天野はそこにいない。



俺は泣きながら、目を閉じた。






合宿終了まで、あと6日


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