もう一度抱いて
夕飯の片づけを終えると、私達は自由な時間を過ごすことが出来る。


このペンションは、音楽をやっているお客様が半数以上を占めるので、リビングで演奏が始まることもあるし、音楽話に花が咲くこともしょっちゅうだ。


今夜も私達は、リビングでお客様達と会話する。


この時間は結構楽しい時間だったりする。


今日の宿泊のお客様はジャズバンドのおじ様達で、相原君も小山君もおじさん達の話に夢中になっているようだった。


いつもだったら、ここにキョウセイもいるのに…。


そう思うと、私はなんだか気分が沈んだままだった。


二人はまだ帰って来ない。


一体どこに行ってしまったんだろう。


「ごめん、亜美。
私、先にお風呂に行って休むね」


「あ?うん。わかった」


私はリビングを出て、自分の部屋へと向かった。
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