もう一度抱いて
亜美は高校からの大親友。


あまりに仲が良いものだから、同じ大学、同じ学部を受験した。


面倒見の良い亜美は、高校時代から、いつも私の心配をしてくれる。


「あ…、里桜。

実は私、報告があるのよ」


「報告?」


亜美があらたまって私に報告ってなんだろう?


「この前の合コンでさ、小山(こやま)って人が居たんだけど、覚えてる?」


「小山?
うーん…。覚えてない」


ハッキリ言って、どんなメンバーだったか、さっぱり覚えていないんだよね。


「私…、その人と付き合うことになったから」


「は?」


意外な言葉に思わず目を見開いた。


「めっちゃタイプだったのよー。

ガッチリしてて、優しくてさー。

二次会のカラオケで意気投合しちゃって。

それで、付き合うことになったの」


「う、うそーーー!」


「里桜を励ます会だったのに、私が彼氏作っちゃってごめんね…」


「いや…。そんなの別に全然いいけど…。

よ、よかったね。

大学に入って、初めての彼だね」


「う、うん」


亜美は照れくさそうにへへっと笑った。

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