もう一度抱いて
「なぁ、里桜ちゃん」


「ん?」


「バンド辞めようとか思うてへん?」


考えていたことをズバリ当てられて、ドキッと心臓が跳ねてしまう。


それを悟られないように、麦茶をそっと口にした。


「責任感じることあらへん。

俺かてよう間違えるし、あのキョウセイかて、たまには間違えることもあんねんで」


「う…ん」


それは、確かにそうなんだけど。


問題は、私がキョウセイのことを思うだけで、歌えなくなってしまうことなんだ。


「朝田さんを見たら、やっぱ苦しい?」


「う…ん。まぁ、そうだね…。

過去のことは、もういいんだけど…。

好きな人の、彼女だからね…」


「好きな人…か…」


相原君はぽつり呟いた。
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