もう一度抱いて
アイツはバンドを辞めて、


俺のことを忘れようとしているんだ。


わかってる。


俺がアイツの気持ちに応えてやれないから、


身を引こうとしていること。


だけど、いやだ。


お前が俺を忘れるなんて、いやだ。


だから俺は必死に走って。


正門の前で永瀬を捕まえた。




絶対、離したりなんかしない。





俺はそう、決めていた。

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