もう一度抱いて
しばらくシンとしていた会場だったけど、


急にワァッという歓声が上がった。


嵐のような拍手が、私達を包み込む。


私は呆然と立ち尽くしていた。


「やったー。大成功やな。

良かったなぁ、里桜ちゃん!」


相原君がにっこり笑ってくれる。


「里桜ちゃん、良かったよ!

これからも一緒に音楽やろうね」


小山君がドラムセットから前に出て来て、声をかけてくれる。


「里桜…」


キョウセイが私の名前を呼ぶ。


「すげぇ、良かったよ」


ニッコリ笑うキョウセイ。


「キョウセイも、すごく格好良かった」


そう言って、私も微笑み返した。



大きな歓声の中、私達はステージの中央に集まって、4人で強く抱き合った。



会場の拍手はいつまでも、




11月の夜空に響き渡っていた。

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