禁域―秘密の愛―【完】
そう言いながら、藤咲君は私の隣に座った。いになりの藤咲君の登場に私の涙は思わず止まる。
「っ、藤咲君こそどうして………もしかして、こっち方面に家があるの?」
「ああ、まあな。20分くらいかかる」
「そっか………一緒だね」
その後は沈黙が流れた。何か会話を繋げないといけないけど………今の私にはそんな気力はなかった。
「………そういえば、」
「え?」
「この前、かれんとクレープ食べたらしいな。かれんが喜んで俺に話してくれた。………綾瀬には感謝してるよ。あんな事をしたのに、かれんと仲良くしてくれて」
「あ………ううん。かれんちゃんは、本当はいい子だって分かってるから……」
「ーーーーそうなんだよ。ちょっと、暴走すると困るけど」
藤咲君が柔らかく微笑む。私はそんな彼を見て………本当に、かれんちゃんが好きなんだと思った。
そして、その想いはきっと………かれんちゃんにも届いてる。
「二人が羨ましいな………」
私は………もう、どうしたらいいか分からないのに。
巧のことが……….何も見えない。