禁域―秘密の愛―【完】


「藤、咲…………君っ」

すると藤咲君は………、私の背中をポンポンと優しく叩く。

励ますようにそうしてくれる藤咲君の存在が本当にありがたかった。

「かれんを救ったのは綾瀬だと思う。だから、お前も………俺達を頼れよ。たまには、こうして誰かを頼って泣いていいんだ。そしたら、今度はそいつが綾瀬を救うから」

藤咲君の優しい言葉が胸の中に流れる。それが私の涙をますます促した。


「っ、うーーーーっ………」


だから……沢山沢山、泣いてしまっていたから。




「瞳…………?」




後ろから………私を見ていた影に全く気付かなかったんだ。


「………っ?」



聞き間違いかと思った。だけど……私がこの声を聞き間違えるはずがないんだ。

私は、そっと藤咲君の腕から離れようとした。

だけど………



「ーーーーッ!?」


もの凄い勢いと力で、藤咲君から私は離れさせられる。その私の腕を思いきり掴んだのは………




「巧………っ!」




今までにないくらい険しい表情をして
………私を見ている巧だった。

「何してるんだよ………?瞳………」

「た、くみ………」

「お前は………俺の彼女だろ!?何で、藤咲と抱き合ってる!?」

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