禁域―秘密の愛―【完】
あの後、私は初めて優斗さんのマンションへと入った。都心中心部にある20階立ての高級マンションで優斗さんは、その最上階に住んでいた。
ここに来るまで私は、初めて手を繋いで優斗さんと街中を歩いた。とても嬉しかった………。
「入って」
「あ、はい………」
黒のドアを開けると、とても広い玄関が迎えてくれた。
白い床はとてもピカピカで、左には大きな全身鏡があった。右には何十足もの靴が入りそうな靴箱。部屋は白と茶色を基調とした作りになっていた。凄く立派で広い。
「凄い………」
本当に……….優斗さんは、園屋物産の次期社長なんだ。そういう事実を改めて実感させてくれるものだった。
「瞳、何ボーーーッとしてるの」
「いや………なんていうか」
玄関だけで圧倒されました、なんて言えない。