禁域―秘密の愛―【完】
「あ、…………そっか」
「え?」
「俺がいきなり、襲ってくるんじゃないかって思ってる?」
「……….っ、は!?」
な、何いきなり言ってるの、この人!そんなこと言われるまであまり考えていなかったのに…………!
「な、な、な………」
思わず後ずさりする私に優斗さんは徐々に距離を狭めていく。そしてーーーー
「きゃっ………!」
私を………壁に押しやった。嘘………まさか、本当に………?
「ちょっ……優斗さんっ………」
優斗さんの顔が近付いてくる。本当にこのままじゃーーーー
「………ははっ」
「………え?」
けれど、優斗さんは身構えた私に対してそっと離れると………頭をぽんっと叩いた。
「可愛い………、こんなに顔を赤くして。冗談に決まってるのに」
「じ、じ、冗談!?」
なんて冗談をつくのよ…………!?
「優斗さんの馬鹿!私っ………」
本当に、そんなことを想像してしまったじゃない………。
ああ、恥ずかしい…………恥ずかしすぎる。