禁域―秘密の愛―【完】
…………禁じられた事だと
許されない事だとも、わかってる
けれどーーーー
けれどーーー………
「私は昔から巧が、好きなの…………。ただ、それだけなの…………」
ただ、一人の人を愛する事しか望んでいないのに…………。
「………ッ、そんな言い訳通用する筈ないでしょ………!?」
朝香さんが更に私に怒りながら、手を振り上げるのが見えた。
けれど………駄目だ。 段々と視界が狭まって………ボヤけて、何も見えなくなる。
「瞳ッ…………!!」
「た………く、み………」
………最後に見えたのは。
愛しい愛しい、ただ一人の顔だったーーーー。