禁域―秘密の愛―【完】
「嫌…………ッ!!!」
私は、その場で気が付いた時叫んでいた。
「嫌………!いやぁ………!!やめて!!巧と離れたくない………ッ!!」
嫌だ………嫌だ………!!
嫌だ…………!!
また、巧と………別れるなんて、絶対に………!!
「…………ふざけないで!!!」
その瞬間ーーーー
パンッと、鋭い音がして………頬に物凄い痛みを感じた。
そして、なぜか段々とぼやけてくる視界の中で朝香さんが私を平手打ちしたのだということが分かった。
「アンタ…………いい加減にしてよ!!子どもみたいにダダこねてるんじゃないわよ!!いい!?いくら、巧とアンタが高校時代付き合ってたからと言って…………今、巧は私の婚約者なのよ!?そして、アンタは私の従兄弟の優斗君と付き合ってる…………。
それを知った上で巧にまた手をだすなんて…………なんて、下衆で恥知らずなの!?この最低女ッ!!」
…………恥知らず? 最低?
私がーーーー?
「………っ」
確かに、周りから見たらそうかも………しれない。
人の恋人に手を出して………、手放したくないと叫んでいる。 はたから見ればなんて最低で卑劣な行為。
けれど、いつも私の………私の願いはただーーーー
ただーーーー
「………ど………して」
「えっ?」
「どうして、いつもいつも皆邪魔をするの…………ッ!?ただ、巧の事が好きなだけじゃない………!!それのどこがいけないっていうの………!?何、が駄目なのよ………ぉ………ッ!!」